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アラ・カチュー キルギスの誘拐結婚 林典子 Noriko HAYASHI

アラ・カチュー キルギスの誘拐結婚

林典子 Noriko HAYASHI

会期: 2015年4月1日 ~ 6月24日

Алa Качуу・アラ・カチュー
キルギス語「Алa Качуу」(アラ・カチュー)を直訳すると、“持って去る”という意味です。しかし近年、この言葉が「誘拐結婚」を意味するようになっています。キルギスの人口の7割を占めるクルグズ人、現地の人権団体によれば、クルグズ人の3割の女性が誘拐によって結婚させられているとのレポートを発表しています。「誘拐結婚」は、現在のキルギスでは違法とされていますが、「家族間の問題」とされ、犯罪として扱われることはほとんどないと言います。21世紀の現代において、「誘拐結婚」がなくならないのは何故なのか? どのように行われるのか? 誘拐され、結婚を受けいれた女性たちはどういう心境なのか?結婚後、彼女たちはどういった日常を過ごしていくのか? 林典子の視線はこの現実に向き合い、女性たちの「物語」を生々しく写し出すと共に、人生の不条理に折り合いをつけながらたくましくも、しなやかに生きる女性の生きる力を予感させる瑞々しい作品として世界に配信しています。本展では、これらの写真をドキュメンタリーとしてではなく、運命を切り拓く力を持つ、未来への希望、人としての尊厳の証としてご覧いただきます。
| Artist Biography |
林典子 | Noriko HAYASHI
Panos Picture(英国のフォト・エージェンシー)所属写真家国際関係学、紛争・平和構築学を学んでいた大学時代の2006年から2007年にかけ、西アフリカを訪れたことをきっかけに、ガンビア共和国の現地新聞社「The Point」の紙面を飾るドキュメンタリー作家としてキャリアをスタートさせる。以来、「ニュースにならない人々の物語」にフォーカスし、国内外で幅広い活動を展開する。
| 受賞歴
2011年 「名取洋之助写真賞」受賞
2012年 「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞1位
2013年 「アレクシア財団写真賞」(アメリカ)ファイナリスト 世界報道写真祭「Visa Pour L’Image(ビザ・プー ル・リマ—ジュ)」報道写真特集部門「visa d’Or」金賞
2014年 「フォトシティさがみはら」写真新人奨励賞 「三木淳賞」(35歳以下の若手写真家を奨励する賞) 受賞
NPPA全米報道写真家協会Best of Photojournalism現代社会問題組写真部門1位
| 主要な作品掲載媒体
ワシントンポスト紙(アメリカ)
デア・シュピーゲル誌(ヨーロッパ最大の発行部数を誇るドイツの週刊誌)
インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙
マリ・クレール (イギリス版・ロシア)
ル・モンド紙(フランス)
ナショナルジオグラフィック(日本版)
ニューズウィーク(アメリカ)
デイズ・ジャパン(日本)等
| 著書/写真集
「フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳」(岩波新書)
「キルギスの誘拐結婚」(日経ナショナル ジオグラフィック社刊)
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